泣ける広告の解説書「明日の広告」
消費者のココロに届きにくくなったと言われる広告をめぐる現状とその対処方法を、広告会社の現役クリエイティブ・ディレクターがポジティブに解説する新書です。この類の本は色々読んでいるけど、とてもすーっと心の中に入って、納得感がありました。
例えば、テレビCMとクチコミを巡る考察。テレビCM崩壊ともいわれますが、筆者はそれを否定します。まず、過去を振り返ると、「テレビのチカラはクチコミに依存していた」というのです。お茶の間にテレビがあり、家族がいて、みんなでテレビを見ながら「あーだこーだ」と言い合う。さらに翌日、学校や職場で昨日見たテレビ番組を話題にする。つまりテレビはクチコミを巻き起こす役割があり、そのクチコミの源泉は「お茶の間」だったというのです。しかし今は、お茶の間が“崩壊”したため、テレビのチカラが弱まってしまいました。
しかし、筆者は新しいお茶の間が生まれているとも指摘しています。最近は、「ツーウィンドウズ」と呼ばれるようにテレビを見ながらパソコンやケータイを開く人も多いです。そこで番組中で気になることを検索したり、掲示板に書き込んだりします。これを昔のお茶の間に似た「ネオ茶の間」と名づけています。その究極が「ニコニコ動画」で、動画を見ながら突っ込みを入れたり、他の人のコメントを見たりしています。この延長線上には、友達とネット上で一緒にリアルタイムにテレビ番組を見て、突っ込みをいれるサービスの登場もあり得ると示唆しています。このネオ茶の間が巨大なクチコミ源となり、テレビの復権があるのではという考えです。
まぁ、うまくは説明できないけど、こうして久しぶりにブログを書きたくなるくらい、分かりやいくていい本だと思ったということです。
買うときには気づかなかったけど、この本を書いたのは、「jiabaran」や「www.さとなお.com」の佐藤さん。巨大広告会社にお勤めの方なのに、ネットへの理解が深いわけだと思いました。
それと、もう一つ欠かせない読みどころは筆者がかかわった「スラムダンク」のキャンペーンの話。私は、定食屋でサバ塩定食を待ちながら読んで、泣きそうになりました。こんな仕事ができたらいいですね。広告だけでなく、メディア、コミュニケーションにかかわる人は必読です。
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